「今より年収を上げたい」
「経験や資格を給与へ反映してほしい」
「基本給の高い職場へ転職したい」
「夜勤を増やさず収入を上げたい」
医療・介護職が転職を考える理由の一つが、給与・待遇の改善です。
ただし、求人票に書かれている月給だけで転職先を決めるのはおすすめできません。
例えば、
月給は高いけれど賞与が少ない。
給与に固定残業代が含まれている。
夜勤・当直回数が増えることで年収が高くなっている。
年間休日が少ない。
基本給が低く、手当の割合が大きい。
といったケースもあります。
反対に、月給が大きく変わらなくても、
基本給が上がる、賞与が増える、残業が減る、年間休日が増える、資格や経験が評価される
ことで、総合的な待遇が改善することもあります。
この記事では、医療・介護職が年収アップを目指して転職するときに確認したいポイントを、職種別に解説します。
この記事の情報作成・確認方法
本記事は、厚生労働省の賃金・労働条件に関する公表情報、日本看護協会の給与関連情報、メディキャリラボの各職種別転職記事を確認して作成しています。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」は、職種・雇用形態・年齢・勤続年数などによる賃金の実態を把握する基幹統計です。
最終情報確認:2026年10月
給与・賞与・各種手当、求人条件は勤務先によって異なります。転職時には求人票だけでなく、労働条件通知書などでも確認してください。
年収アップで最初に比較したい7項目
年収を比較するときは、「月給○万円」だけではなく、次の項目をセットで確認します。
| 比較項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 基本給 | 手当を除いた給与の土台 |
| 固定手当 | 資格手当、職務手当、住宅手当など |
| 変動手当 | 夜勤、当直、オンコール、残業など |
| 賞与 | 支給回数、算定基準、実績 |
| 残業 | 月平均時間、固定残業代の有無 |
| 休日 | 年間休日、土日・祝日勤務 |
| 勤務時間 | 夜勤、当直、早出・遅出など |
特に重要なのが、基本給と手当を分けて見ることです。
看護職の給与についても、日本看護協会は「税込給与総額」に通勤手当・住宅手当・家族手当・夜勤手当・当直手当などが含まれると説明しており、基本給与額と総額を分けて掲載しています。
年収を比較するときのポイント
「月給が高い=年収が高い」とは限らない
例えば、
A職場
月給30万円・賞与なし
B職場
月給27万円・賞与あり
の場合、月給だけを見るとA職場の方が高く見えます。
しかし実際には、
年間でいくら受け取れるか
まで計算しないと判断できません。
比較するときは、
月給 × 12か月 + 想定賞与 + 各種手当
で大まかな年間総支給額を確認します。
ただし、賞与は必ず同じ金額が支給されるとは限らないため、
「賞与○か月分」だけではなく、何を基準に計算するのか
も確認してください。
基本給を必ず確認する
年収アップを考えるときに見落としやすいのが基本給です。
求人票の月給が、
基本給+資格手当+職務手当+夜勤手当+固定残業代
などで構成されている場合、基本給そのものは現在より低い可能性があります。
基本給は、職場によっては、
賞与、昇給、退職金
などの計算に関係することがあります。
そのため、
「月給はいくらですか?」
だけでなく、
「基本給はいくらですか?」
まで確認しましょう。
賞与は「○か月」だけで判断しない
「賞与4か月」と書かれていると魅力的に見えます。
しかし、
基本給×4か月
なのか、
別の算定方法なのかによって金額は変わります。
また、賞与は勤務先の業績や評価などによって変動する場合があります。
確認したいのは、
支給回数
算定の基準
前年度実績
入職初年度の取り扱い
です。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査でも、「年間賞与その他特別給与額」を通常の給与とは分けて集計しています。
固定残業代が含まれていないか確認する
求人票で月給が高く見える場合は、
固定残業代を含んでいるか
も確認してください。
例えば、
「月給32万円」
だけでなく、
基本給27万円+固定残業代5万円
という構成になっている場合があります。
その場合は、
何時間分の固定残業代なのか
その時間を超えた場合の残業代はどうなるのか
を確認します。
採用時には賃金・労働時間などの労働条件を明示する必要があります。
夜勤・当直・オンコール手当を分けて考える
医療・介護職では、
夜勤。
当直。
オンコール。
休日勤務。
などの手当によって年収が変わることがあります。
例えば、
現在の年収500万円
から、
年収550万円
の求人へ転職するとします。
一見すると50万円アップですが、
夜勤が月4回から月8回へ増える。
当直が追加される。
オンコール回数が増える。
のであれば、働き方も大きく変わります。
年収だけでなく、
「何を増やすことで年収が上がるのか」
を確認してください。
夜勤を減らしたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

年間休日も待遇の一部として比較する
給与が高くても、年間休日が大幅に減れば働き方は変わります。
例えば、
年収20万円アップ。
年間休日が10日減少。
残業が月10時間増加。
という条件なら、本当に自分にとって待遇改善なのか考える必要があります。
給与だけでなく、
年間休日、勤務時間、残業、通勤時間
もセットで比較しましょう。
「1時間あたり」で考える方法もある
勤務時間が大きく違う求人を比べるときは、
年収だけでなく、働く時間に対してどの程度の収入になるか
という視点も役立ちます。
例えば、
年収500万円・残業が少ない職場。
年収540万円・残業が多い職場。
では、単純に40万円だけを比較するのではなく、年間の労働時間も考えてみます。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査でも、「1時間当たり所定内給与額」という指標が設けられています。
転職では、
「年収が上がるか」
だけでなく、
「年収を上げるために勤務時間や負担がどの程度変わるか」
まで確認すると判断しやすくなります。
職種によって年収アップの考え方は違う
医療・介護職では、年収を上げる方法が職種によって異なります。
看護師|基本給・夜勤回数・賞与を分けて確認する
看護師では、
基本給
夜勤回数
夜勤手当
資格・役職手当
賞与
などによって給与が変わります。
年収アップを希望する場合、
「夜勤を増やして年収を上げたい」のか、
「夜勤回数は変えず基本給を上げたい」のか、
を分けて考えましょう。
また、
主任・管理職
専門性を生かせる部署
資格取得支援
など、今後のキャリアも給与へ影響する可能性があります。
看護師向け転職サービスの比較はこちらです。

医師|年収だけでなく勤務日数・当直を比較する
医師の求人では、高年収でも、
週の勤務日数
当直
オンコール
外来・病棟・手術等の業務
が異なります。
例えば、
週4日勤務。
週5日勤務+当直。
では、年収だけでは働き方を比較できません。
確認したいのは、
勤務日数
当直回数
オンコール
時間外対応
インセンティブ
です。
医師の転職サービスはこちらで比較しています。

薬剤師|勤務先による給与体系の違いを見る
薬剤師では、
調剤薬局
病院
ドラッグストア
企業
など、勤務先によって給与体系や仕事内容が異なります。
年収だけでなく、
勤務時間
土日・祝日の勤務
異動・転勤
管理薬剤師などの役割
まで確認してください。
薬剤師向け転職サービスの比較はこちらです。

転職先そのものを比較したい場合はこちらも参考にしてください。

介護職|資格・夜勤・役職による違いを確認する
介護職では、
保有資格
施設形態
夜勤
役職
などによって給与条件が異なります。
例えば、夜勤回数を増やせば手当が増える場合がありますが、身体的負担も変わります。
また、
資格取得支援
リーダー・管理職へのキャリア
なども確認しておきたいところです。
介護職向け転職サービスはこちらです。

ケアマネ|専任か介護兼務かも確認する
ケアマネジャーでは、
居宅か施設か
ケアマネ専任か介護業務との兼務か
によって働き方が変わります。
給与が高くても、
ケアマネ業務に加えて介護業務・夜勤まで担当する求人
であれば負担も大きくなります。
確認したいのは、
基本給
資格手当
担当件数
介護兼務
残業
休日
です。
ケアマネ向け転職サービスはこちらです。

理学療法士|経験分野と役割を給与と一緒に見る
理学療法士では、
急性期
回復期
クリニック
介護施設
訪問リハビリ
などによって働き方が異なります。
給与だけでなく、
担当件数
訪問件数
教育体制
リーダー・管理職などの役割
も比較しましょう。
年収アップを目的に転職しても、今後積みたい経験ができなければ、長期的なキャリアに影響する可能性があります。

臨床検査技師|専門性と勤務条件を一緒に比較する
臨床検査技師では、
検体検査
生理機能検査
超音波検査
などの経験が求人条件に関係する場合があります。
また、
当直
オンコール
休日勤務
などによって給与が変わる職場もあります。
年収だけでなく、
次の職場でどの検査を経験できるか
も確認しましょう。

臨床工学技士|担当業務と手当の関係を見る
臨床工学技士では、
血液浄化
人工心肺
手術室
心血管カテーテル
医療機器管理
など、担当分野が施設によって異なります。
当直・オンコール・夜間透析などがある職場では、各種手当によって年収が変わる可能性があります。
転職では、
年収アップと専門性アップを同時に実現できるか
という視点も持ちましょう。

診療放射線技師|モダリティ経験と夜間対応を確認する
診療放射線技師では、
一般撮影
CT
MRI
マンモグラフィ
核医学
放射線治療
など、経験してきた業務によって求人の選択肢が変わります。
救急対応のある病院では、当直・オンコールなどが給与へ影響する場合もあります。
年収アップだけでなく、
今後どの装置・検査を担当できるか
まで確認してください。

転職前に整理・確認したいこと
今の年収を正しく把握してから求人を比較する
転職前に、現在の給与明細や源泉徴収票を確認してみましょう。
「年収500万円」と思っていても、内訳を見ると、
基本給。
夜勤手当。
残業代。
資格手当。
住宅手当。
賞与。
などが含まれています。
転職先を比較するときは、
現在の年収の内訳
と、
転職後の想定年収の内訳
を並べます。
これにより、
何が増えて、何が減るのか
が分かりやすくなります。
求人票で確認したい10項目
年収アップを目的に求人を見るときは、次を確認します。
- 基本給
- 固定手当
- 夜勤・当直・オンコール手当
- 固定残業代の有無
- 賞与の算定方法・実績
- 昇給制度
- 想定残業時間
- 年間休日
- 退職金・福利厚生
- 想定年収の計算条件
求人票で分からない場合は、面接や転職サービスを通じて確認してください。
面接・転職サービスへ聞きたい質問
給与について聞くときは、
「年収はいくらですか?」
だけでは十分ではありません。
例えば、
「基本給はいくらですか?」
「月給に固定残業代は含まれていますか?」
「賞与は何を基準に計算しますか?」
「夜勤・当直・オンコールを含まない場合の想定年収はいくらですか?」
「残業は月平均どの程度ですか?」
「昇給はどのような基準で行われますか?」
「経験年数や資格は給与へどのように反映されますか?」
など、具体的に確認しましょう。
希望年収は「最低ライン」と「目標」に分ける
転職活動では、
最低限必要な年収
と、
できれば実現したい年収
を分けて考えると求人を比較しやすくなります。
例えば、
最低ライン:現在と同じ500万円
目標:550万円
というように整理します。
さらに、
「年収520万円でも年間休日が増えるなら検討する」
「年収550万円でも夜勤が大幅に増えるなら選ばない」
など、給与以外の条件も決めておきましょう。
年収以外で改善したい条件も決める
転職後の満足度は給与だけで決まるわけではありません。
年収と一緒に、
勤務時間
休日
通勤
仕事内容
職場環境
教育体制
今後のキャリア
も確認します。
特に、年収アップのために無理な働き方を選ぶと、長く続けにくくなる可能性があります。
年収アップだけで転職先を決めない
求人A
年収500万円
年間休日120日
残業少なめ
求人B
年収550万円
年間休日105日
残業・夜勤多め
の場合、
単純にBの方が良いとは言い切れません。
重要なのは、
自分にとって50万円の差と勤務条件の差のどちらが重要か
です。
年収アップは大切な転職条件ですが、
長く続けられる働き方か
という視点も忘れないようにしましょう。
夜勤を減らしながら年収アップしたい場合
「夜勤を減らしたいけれど、年収は下げたくない」
という希望もあります。
その場合は、
夜勤手当を減らす代わりに、
基本給が高い
資格・経験が評価される
賞与が比較的充実している
専門性を生かせる
職場を探す方法があります。
ただし、希望地域や職種によって求人状況は異なります。
夜勤を減らす転職についてはこちらで詳しく解説しています。

転職サイトの選び方から確認したい方へ
年収だけでなく、転職サービスそのものの選び方を確認したい方はこちらです。

職種ごとの転職サービスを探したい方はこちらです。

年収アップ転職についてよくある質問
転職すれば必ず年収は上がりますか?
必ず上がるわけではありません。
職種、経験、地域、勤務条件、求人状況によって異なります。
求人票の想定年収だけで判断せず、内訳まで確認してください。
基本給と月給は何が違いますか?
一般に月給には、基本給に加えて各種手当などが含まれている場合があります。
求人によって構成が異なるため、基本給と手当の内訳を確認しましょう。
賞与○か月なら必ずその金額を受け取れますか?
必ずとは限りません。
算定対象となる給与、勤務期間、評価、業績などによって変わる場合があります。
「何か月分」という表示だけでなく算定方法を確認してください。
夜勤が多い求人は年収も高くなりますか?
夜勤手当などによって総支給額が増える場合がありますが、給与体系は勤務先によって異なります。
夜勤回数と手当額を具体的に確認してください。
年収交渉はできますか?
求人や採用状況によって異なります。
経験・資格・現在の給与などをもとに相談できる場合がありますが、必ず希望額になるとは限りません。
条件は口頭だけでなく、採用時の労働条件通知書等で確認してください。
使用者には、労働契約締結時に賃金や労働時間などの労働条件を明示する義務があります。
まとめ|年収アップは「総額」と「働き方」の両方で判断する
医療・介護職が年収アップを目指して転職するときは、
月給だけで判断しないこと
が重要です。
確認したいのは、
基本給
賞与
各種手当
夜勤・当直・オンコール
固定残業代
残業時間
年間休日
勤務時間
です。
さらに、
現在の年収が何によって構成されているのか
を把握したうえで、転職後の条件と比較しましょう。
年収が上がっても、夜勤・残業・休日勤務が大幅に増えるなら、自分が望んでいた転職とは異なる可能性があります。
目指したいのは、
「給与が高い職場」ではなく、「自分の経験・資格・働き方に合った待遇を得られる職場」
です。
職種別の転職サービスも活用しながら、給与と働き方の両方を比較してください。
情報源・調査について
本記事は、厚生労働省、日本看護協会などの公表情報を確認し、メディキャリラボ編集部が作成・更新しています。
最終情報確認:2026年10月
給与・賞与・手当・労働条件は勤務先や求人によって異なります。応募・入職前には最新の求人情報と労働条件通知書等をご確認ください。
この記事の編集・情報確認について
この記事は、メディキャリラボ編集部が企画・構成・編集しています。
医療・介護職の転職や働き方に関する情報について、公的機関や各サービスの公式情報などを確認しながら、読者が比較・判断しやすい形で情報を整理しています。
サービス内容や求人情報、制度などは変更される場合があります。最終的な申し込みや判断を行う際は、各公式サイトの最新情報をご確認ください。



