「職場の雰囲気が合わない」
「スタッフ同士の関係が悪い」
「上司へ相談しにくい」
「人間関係を理由に転職してよいのか迷っている」
医療・介護の仕事は、患者・利用者への対応だけでなく、多くの職種やスタッフとの連携が必要です。
そのため、仕事内容や給与に不満がなくても、人間関係が働き続けるうえで大きな負担になることがあります。
一方で、
「人間関係が悪そうだから転職する」
だけでは、次の職場でも同じ悩みを繰り返す可能性があります。
大切なのは、
何に困っているのか
職場を変えれば改善しそうなのか
次の職場では何を確認すればよいのか
を整理することです。
この記事では、医療・介護職が職場の人間関係を理由に転職を考えるときの判断ポイントと、次の職場を選ぶ際の確認方法を解説します。
- この記事の情報作成・確認方法
- まず「何がつらいのか」を分けて考える
- 転職前に確認したい4つのこと
- ハラスメントが疑われる場合は「人間関係の問題」だけで片づけない
- 次の職場で確認したい「人間関係以外」のサイン
- 現役看護師3名が共通して重視した「職場の雰囲気」
- 職場見学で確認したいポイント
- 転職サービスへ確認したい質問
- 職種によって人間関係で確認したいことは違う
- 口コミだけで職場を決めない
- 面接で「人間関係」を直接聞かなくても確認できる
- 転職理由は面接でどう伝える?
- 人間関係を理由に転職する前のチェックリスト
- 転職サイトの選び方から確認したい方へ
- 職場の人間関係と転職についてよくある質問
- まとめ|「人間関係が良い職場」ではなく働きやすい仕組みを見る
- 情報源・調査について
この記事の情報作成・確認方法
本記事は、厚生労働省の職場におけるハラスメント対策に関する公表情報、医療・介護職の働き方に関する情報、メディキャリラボで実施した現役看護師3名へのヒアリングなどを参考に作成しています。
最終情報確認:2026年10月
人間関係や職場環境は、同じ法人・同じ施設でも部署や時期によって変化します。
口コミや一人の意見だけで判断せず、複数の情報から確認することが重要です。
まず「何がつらいのか」を分けて考える
「人間関係が悪い」と感じても、原因はさまざまです。
例えば、
特定の上司や同僚との関係
スタッフ同士のコミュニケーション
質問・相談しにくい雰囲気
忙しすぎて職場全体に余裕がない
教育・指導方法が合わない
役割分担が不明確
人員不足
ハラスメント
などがあります。
まず、
「誰との関係が問題なのか」
ではなく、
「何が起きていることに困っているのか」
を具体的に整理すると、転職で解決できる問題なのか判断しやすくなります。
転職前に確認したい4つのこと
1.部署変更などで改善できないか
大きな病院や施設の場合、同じ法人でも部署によって職場環境が異なる場合があります。
仕事内容自体には満足しているのであれば、
異動
勤務形態の変更
担当変更
などで改善できないか確認する方法があります。
すぐ退職する前に、利用できる選択肢がないか考えてみましょう。
2.信頼できる人へ相談できないか
上司、管理職、人事担当者、相談窓口などへ相談することで状況が変わる場合があります。
厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも、職場のハラスメントについて、社内の相談窓口や人事担当者などへ相談する方法が案内されています。
ただし、相談することで状況が悪化しそう、社内で相談できる相手がいない、と感じる場合は外部相談窓口もあります。
3.一時的な問題か継続的な問題か
職場の繁忙期、部署変更、新しいスタッフの加入などによって、一時的にコミュニケーションが悪くなる場合もあります。
一方、
長期間改善しない。
複数のスタッフが短期間で辞めている。
相談しても改善されない。
という場合は、職場全体の問題である可能性も考えます。
4.転職すれば本当に解決する問題か
特定の人との関係が原因なら、職場を変えることで改善する可能性があります。
しかし、
仕事内容そのものが合っていない。
勤務時間が負担になっている。
忙しさによって余裕がなくなっている。
という場合は、人間関係以外の条件も見直す必要があります。
ハラスメントが疑われる場合は「人間関係の問題」だけで片づけない
職場での言動によって強い苦痛を感じている場合は、単なる「相性」や「人間関係」とは別に考える必要があります。
厚生労働省では、職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントなどについて情報や相談窓口を案内しています。
社内で相談しにくい場合には、都道府県労働局などの外部相談窓口を利用する方法もあります。
日時、場所、どのようなことがあったかなどを整理しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。
次の職場で確認したい「人間関係以外」のサイン
職場の雰囲気そのものは求人票には書かれていません。
そのため、次のような客観的に確認しやすい情報を見ることが重要です。
| 確認項目 | 見たいポイント |
|---|---|
| スタッフ人数 | 極端に少なくないか |
| 年齢・経験構成 | 特定層だけに偏っていないか |
| 勤続年数 | 長く働いている人がいるか |
| 中途採用 | 新しく入った人への教育があるか |
| 人員配置 | 一人あたりの負担が大きすぎないか |
| 教育体制 | 質問・相談できる担当者がいるか |
| 離職状況 | 短期間で入退職を繰り返していないか |
| 管理職 | スタッフとのコミュニケーションが取れているか |
離職率などの数値が必ず公開されているわけではありません。
分からない情報は、
「長く働いている方はどのくらいいますか?」
「中途入職者はどのように教育しますか?」
など、聞き方を変えて確認する方法があります。
現役看護師3名が共通して重視した「職場の雰囲気」
メディキャリラボでは、現役看護師3名へ転職時に確認したいことを聞いています。
3名に共通していたのが、求人票に書かれている条件だけでは判断できない職場環境を確認することでした。
特に、
スタッフ同士のコミュニケーション
患者への接し方
職場全体の雰囲気
夜勤時の人数・緊急時の体制
求人票の内容と実際の働き方に違いがないか
といった点が挙げられています。
また、
聞きにくいことは転職サービスを通して確認する
一人で急いで決めず複数の職場を比較する
という意見も共通していました。
人間関係は「良い・悪い」という評価だけでなく、実際の働き方や職場体制から判断することが重要です。
職場見学で確認したいポイント
人間関係が気になる場合は、可能であれば職場見学を活用しましょう。
見るべきなのは、建物の新しさや設備だけではありません。
スタッフ同士の声かけ
困っているスタッフへ周囲が自然に声をかけているか。
質問された人がどのように対応しているか。
こうした日常のやり取りを見ることで、職場の雰囲気を感じられる場合があります。
患者・利用者への対応
患者・利用者への言葉遣いや対応も職場を見るヒントになります。
忙しいときでも丁寧な対応ができているか確認してみましょう。
管理職とスタッフの距離
師長、施設長、管理者などとスタッフがどのようにコミュニケーションを取っているかも参考になります。
スタッフの表情だけで判断しない
職場見学は短時間です。
一度の見学だけで、
「全員笑顔だから良い職場」
「忙しそうだから悪い職場」
と判断しないようにしましょう。
複数の情報を合わせて考えることが大切です。
転職サービスへ確認したい質問
人間関係について、
「人間関係は良いですか?」
と聞くだけでは、具体的な答えを得にくいことがあります。
次のように質問すると確認しやすくなります。
「中途採用者はどのように教育されていますか?」
「この部署には何人のスタッフがいますか?」
「平均勤続年数や長く働いている方について分かりますか?」
「最近の退職理由について確認できる範囲はありますか?」
「職場見学はできますか?」
「管理職とスタッフのコミュニケーションについて分かることはありますか?」
「求人票に書かれていない職場情報で確認できることはありますか?」
「雰囲気が良い」という抽象的な言葉より、具体的な事実を確認することがポイントです。
職種によって人間関係で確認したいことは違う
看護師|夜勤体制とスタッフ間の連携を見る
看護師は、患者対応だけでなく、医師、看護師同士、薬剤師、リハビリ職など多職種との連携があります。
特に夜勤では人数が少なくなるため、
夜勤者数
緊急時の支援体制
相談できるスタッフがいるか
などを確認したいところです。
現役看護師3名へのヒアリングでも、スタッフ間のコミュニケーションや夜勤体制、職場の雰囲気を確認する意見が共通していました。
看護師向け転職サービスはこちらで比較しています。

医師|診療科内だけでなく多職種連携を見る
医師は、同じ診療科の医師だけでなく、
看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、リハビリ職
など多職種との連携が必要です。
転職するときは、
診療科内の役割分担
上級医・管理職との関係
当直・オンコールの分担
なども確認しましょう。

薬剤師|少人数職場ではスタッフ構成を見る
調剤薬局や小規模施設では、少人数で働くことがあります。
そのため、
薬剤師人数
事務スタッフ人数
一人薬剤師になる時間帯
管理薬剤師との役割分担
などを確認しましょう。
病院・薬局・ドラッグストア・企業では職場環境も大きく異なります。

介護職|人員配置と業務負担を見る
介護職では、スタッフ同士の連携が利用者のケアにも影響します。
人間関係だけでなく、
夜勤人数
利用者数
人員配置
休憩を取りやすい体制
新人教育
なども確認しましょう。
慢性的に人手が足りない職場では、スタッフ間のコミュニケーションにも余裕がなくなる場合があります。

ケアマネ|相談できるケアマネがいるかを見る
ケアマネジャーの場合、
一人ケアマネか
複数のケアマネが在籍しているか
は働き方に影響します。
未経験やブランクがある場合は特に、
相談できるケアマネがいるか
主任ケアマネから支援を受けられるか
も確認したいところです。

理学療法士|リハビリ職内と他職種との連携を見る
理学療法士は、同じリハビリ職だけでなく医師・看護師・介護職などとの連携があります。
確認したいのは、
リハビリスタッフ人数
新人・中途教育
症例について相談できる体制
カンファレンス
などです。

臨床検査技師|検査部門の人数と教育体制を見る
臨床検査技師では、検体検査・生理機能検査などで業務分担が行われている職場があります。
少人数の施設では、一人あたりの担当範囲が広くなる場合があります。
転職時には、
検査技師人数
業務分担
未経験検査への教育
当直・待機時の支援体制
を確認しましょう。

臨床工学技士|業務分担と緊急対応時の連携を見る
臨床工学技士は、
透析、手術室、人工心肺、カテーテル、医療機器管理
など幅広い業務を担当します。
確認したいのは、
臨床工学技士人数
担当業務の分け方
オンコール・当直時の連携
中途採用者の教育
などです。

診療放射線技師|部門内の業務ローテーションを見る
診療放射線技師の場合、
一般撮影、CT、MRI、マンモグラフィ、放射線治療
など複数の業務があります。
確認したいのは、
放射線技師人数
モダリティごとの担当
業務ローテーション
未経験分野への教育
です。
仕事の割り振りや教育体制が不明確だと、スタッフ間の負担差が生まれる場合もあります。

口コミだけで職場を決めない
転職先を調べるとき、口コミサイトを参考にする人もいます。
口コミは、
実際に働いた人の経験を知る一つの材料
にはなります。
ただし、
部署が違う。
働いていた時期が違う。
上司が変わっている。
個人の感じ方が違う。
ということもあります。
一つの口コミだけで、
「良い職場」「悪い職場」
と決めないようにしましょう。
求人情報、職場見学、面接、転職サービスから得られる情報などを組み合わせて判断するのがおすすめです。
面接で「人間関係」を直接聞かなくても確認できる
面接で、
「人間関係は良いですか?」
と質問しても、本当の状況を判断するのは難しいでしょう。
代わりに、
「中途入職者への教育はどのように行っていますか?」
「この部署ではどのくらいの方が働いていますか?」
「どのような年齢・経験のスタッフがいますか?」
「困ったときは誰へ相談する体制ですか?」
「職場見学はできますか?」
などを聞いてみましょう。
回答内容だけでなく、
質問へどのように答えてくれるか
も職場を考える材料になります。
転職理由は面接でどう伝える?
人間関係を理由に退職する場合でも、面接で前職への不満だけを長く話す必要はありません。
例えば、
「前職では業務上の連携に難しさを感じることがあり、今後は多職種で相談しながら働ける環境で経験を生かしたいと考えています。」
「今後は教育体制が整った環境で、周囲と相談しながら専門性を高めたいと考え、転職を検討しています。」
など、
次の職場で実現したいこと
へ話をつなげると伝えやすくなります。
事実と異なる説明をする必要はありませんが、特定の人への批判だけにならないよう注意しましょう。
人間関係を理由に転職する前のチェックリスト
転職を決める前に、
何に困っているのか
現在の職場で改善できる可能性があるか
次の職場で絶対に確認したい条件は何か
を整理します。
そして次の職場では、
スタッフ人数、人員配置、教育体制、管理職、夜勤体制、業務分担、職場見学などを確認してください。
転職サイトの選び方から確認したい方へ
どの転職サービスを利用すればよいか分からない場合はこちらです。

職種別に転職サービスを確認したい場合はこちらです。

夜勤や給与も転職理由になっている場合はこちらも参考にしてください。


職場の人間関係と転職についてよくある質問
人間関係を理由に転職してもよいですか?
人間関係も働き続けるうえで重要な職場環境の一つです。
ただし、転職する前に、
何が問題なのか
を整理しておくことをおすすめします。
問題が特定の人との関係なのか、職場全体の体制なのかによって、次に確認すべき条件も変わります。
転職先の人間関係は事前に分かりますか?
完全に把握することは難しいでしょう。
ただし、
スタッフ人数、勤続状況、教育体制、職場見学、管理職とのコミュニケーション
などから、判断材料を増やすことはできます。
転職サービスは職場の人間関係を教えてくれますか?
サービスや求人によって確認できる情報は異なります。
「人間関係は良いですか?」ではなく、
「中途入職者の教育体制について確認できますか?」
「職場のスタッフ構成について分かりますか?」
など、具体的に聞いてみましょう。
離職率は確認した方がよいですか?
確認できるのであれば参考になります。
ただし、離職率だけでは退職理由までは分かりません。
勤続年数、中途採用、教育体制、人員配置など、複数の情報と合わせて判断しましょう。
職場見学だけで人間関係は分かりますか?
短時間の見学だけで判断することは難しいです。
ただし、
スタッフ同士の声かけ、患者・利用者への対応、管理職とスタッフのやり取り
などを見る機会にはなります。
ハラスメントが疑われる場合はどうすればよいですか?
社内の相談窓口、人事部門などへ相談する方法があります。
社内で相談できない場合や、相談しても対応されない場合は、都道府県労働局など外部の相談窓口を利用する方法もあります。
まとめ|「人間関係が良い職場」ではなく働きやすい仕組みを見る
転職先を選ぶとき、
「人間関係が良い職場を探したい」
と考えるのは自然です。
しかし、人間関係そのものを入職前に完全に把握することは難しいでしょう。
そこで確認したいのが、
スタッフ人数
人員配置
教育体制
相談体制
管理職とのコミュニケーション
勤続状況
業務分担
職場見学
です。
人間関係を「良い・悪い」という感覚だけで判断するのではなく、
スタッフが無理なく働き、困ったときに相談できる仕組みがあるか
を見ることが大切です。
また、人間関係だけでなく、勤務時間・夜勤・給与・仕事内容などが悩みに影響している場合もあります。
自分が転職で何を改善したいのかを整理し、次の職場では同じ悩みを繰り返さないための条件を確認しましょう。
情報源・調査について
本記事は、厚生労働省の職場におけるハラスメント対策に関する公表情報、メディキャリラボで実施した現役看護師へのヒアリングなどを参考に、メディキャリラボ編集部が作成・更新しています。
最終情報確認:2026年10月
職場の人間関係やハラスメントへの対応は状況によって異なります。必要に応じて勤務先の相談窓口や公的な相談窓口も利用してください。
この記事の編集・情報確認について
この記事は、メディキャリラボ編集部が企画・構成・編集しています。
医療・介護職の転職や働き方に関する情報について、公的機関や各サービスの公式情報などを確認しながら、読者が比較・判断しやすい形で情報を整理しています。
サービス内容や求人情報、制度などは変更される場合があります。最終的な申し込みや判断を行う際は、各公式サイトの最新情報をご確認ください。



